社会・経済の動き

2025年3月4日トピックス

2024年出生数、過去最少の約72万人

厚生労働省は昨年1年間に生まれた子どもの数は72万988人だったと発表した。前年から約3万8千人少なく、9年連続の減少となった。また、2024年の出生数は統計を開始した1899年以来、過去最少を更新した。一方、昨年1年間に死亡した人は161万8684人で、過去最多となり、出生数の減少と死亡者数の増加は一段の人口減少社会へと突き進む構図となっている。なお、婚姻の件数は前年約1万組以上増の約50万組で、2年ぶりの増加となった。

中小の賃上げ6%は1割未満止まり

東京商工リサーチの調査によると、2025年春闘で連合が目標に掲げる6%以上の賃上げを見込む中小企業は9.1%と低調なことが分かった。賃上げを予定する中小企業は3%台が29.0%で最多で、5%台が16.2%で続き、高水準となる10%以上は2.7%と僅かだった。中小企業全体平均での賃上げ率は3.94%で、連合が大手企業との賃金格差を是正する上から、中小の賃上げを6%以上の半分以下にとどまることが分かった。同社では「中小での賃上げ率は高い水準にあるものの、大手には届いていない」と分析している。

二酸化炭素の増加量、過去最大に

環境省の発表によると、人工衛星「いぶき」で観測した地球の大気中の二酸化炭素(CO2)濃度を分析した結果、2024年は前年から増加量が最大の3.5ppmだった。化石燃料を使う人間の活動や世界各地での森林火災などが影響しているものとみられる。人工衛星「いぶき」は高度660キロの軌道を周回し、地表から大気の上端までの温室ガスを観測でき、地球全体の大気中のCO2濃度は2024年の平均が421.3ppmで、観測以降で最も高く、前年からの増加量は過去最大だった。

2025年飲食料品値上げ、累計1万品目

帝国データバンクの調べによると、主要な食品メーカー195社における3月の飲食料品の値上げは2343品目に上ることが分かった。2025年通年の値上げは8月までの公表分で累計1万797品目に上り、年間で1万品目を超えるのは調査開始の2022年以降で4年連続となる。値上げの背景には、原材料などの値上げが多くを占め、加えて人件費や物流費などのサービス価格上昇、光熱費などのエネルギー上昇などが挙げられている。

米価高騰、10ヵ月連続での上昇

総務省は2月の小売物価統計で、コシヒカリ(5キロ)の価格が前月から4%上昇の4363円だったと発表した。昨年5月以来10カ月連続の上昇で、前年同月比では1922円高く、1.8倍にも跳ね上がっている。また、同省から発表された消費者物価指数(2020年=100)の米類は181.6となり、1970年以降で5ヵ月連続の最高値を更新してきている。農林水産省が備蓄米の放出を決定しているものの、米価下落には至っていない。

「家じまい」査定依頼、2022年比2倍超

不動産・住宅情報サービスを展開するライフルが行なった「家じまい」調査によると、2024年に相続を理由とした全国の住宅売却査定の依頼件数は2022年比2.23倍になることが分かった。築年数が「築31年以上」が8割を占め、建物の種類別では「一戸建て」が最多の66.5%で、「土地」が25.1%、「マンション」が6.7%だった。地域別に伸び率(2022年比)をみると、東北が2.74倍で最も多く、九州・沖縄の2.57倍、北海道が2.37倍で続いた。

山火事、7割が「冬から春」に発生

総務省消防庁によると、2022年までの5年間に山火事は年間約1300件発生し、焼損面積は約700ヘクタール、損害額は約2億4千万円に上っている。とくに発生時期は冬から春(1~5月)の発生が約7割を占めていた。出火の原因をみると、人が関係するものが多く、刈り取った草木を自宅の庭や畑で焼却する「たき火」が約3割、河原や畑の野焼きなどが約2割を占め、それらの火の粉が強い風で飛んだ火の粉が雑木林や山林に引火することが多いとしている。

大学生、物価高を背景に悩みは「お金」

全国大学生協連が行なった学生生活実態調査結果によると、日常節活の悩みで「生活費やお金のこと」が最多の46.8%だったことが分かった。奨学金を「受給している」は前年に続き、3割を下回り、2019年以降最低で、返済への将来不安から奨学金貸与型が減っている。また、アルバイトの就労率は過去最高になり、月7万円以上を稼ぐ層が増加傾向にある。生協連では「健康面や学業とのバランスが懸念される」としている。物価高でお金に関して悩む大学生の実態が浮き彫りとなっている。


最近のニュースから、トピックスとなる記事を抜粋してご案内しています。<週1回更新>
記事提供元:(有)ホップステップ「新聞・経済のうごき@.yomu」


上野法人会メールニュースでも最新情報を配信しています

お知らせの最新情報は、メールニュースでも配信しています。
最新情報を受け取るには、メールアドレスをご登録ください。

メールニュース登録

お知らせ