社会・経済の動き

2023年5月2日トピックス

2070年の総人口は8700万人

国立社会保障・人口問題研究所が公表した50年後の日本の将来推計人口で、2070年には8700万人になることが明らかになった。推計では、2056年に1億人を割り込み、2070年には2020年時点(1億2615万人)と比べ約3割減少することになる。大幅な人口減少によって年金や医療などの社会保障をはじめ、自治体の維持、経済活動の縮小など、広範な領域で深刻な影響をもたらしかねないだけに、人口減少対応への取り組みが欠かせないものとなってくる。

コロナ5類移行を政府が正式決定

政府は新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを予定通り5月8日から5類へ移行することを正式決定した。5類移行後は、発生動向は定点調査に基づき週1回の発表とし、感染者対応では外出自粛要請を廃止、医療費は公費支援から一部自己負担となる。感染対策では、行政が関与してきたマスク着用の推奨などの仕組みから、個人や事業者の判断に委ねるなど、個人の選択を尊重し自主的な取り組みとなる。ただ、コロナワクチンについては2023年度も無料接種を継続するとしている。

2027年GDP、日本は世界4位に転落

国際通貨基金(IMF)の資料によると、日本の2022年国内総生産(GDP)は前年比15%減の4兆2330億ドルとなり、米国、中国に次いで世界第3位を維持したことが明らかになった。人口が世界一となったインドは若年層の割合が高いことから経済の急成長を遂げ、2027年度には日本やドイツを抜き、世界第3位になると見込まれている。その際、日本のGDPは4位に転じるとみられている。

2023年度、ベア実施企業は62%

財務省の調査結果によると、2023年度に賃金を底上げするベースアップ(ベア)を実施した企業は予定を含め62.1%に上ることが分かった。ベア実施企業は前年度の38.7%から大幅に増えている。ベアを実施した企業を業種別にみると、製造業が69.8%、非製造業が52.0%だった。また、ベア実施企業のうち、ベア水準を「3%以上」と答えた比率は37.3%で、前年度の13.7%から大幅に増えている。背景には、人材確保や物価高に対応することから賃上げが広がったとみられる。

2022年世界の軍事費、過去最高に

ストックホルム国際平和研究所は2022年の世界の軍事費(支出、一部推計)は前年比3.7%増の2兆2400億ドル(約300兆円)だったと発表した。推計値が残る1988年以降で最高額となる。急速に拡大した背景には、ロシアのウクライナ侵攻が要因だったと分析している。上位5カ国(米国・中国・ロシア・インド・サウジアラビア)の合計は世界全体の63%を占めている。世界10位となる日本の軍事費は前年比5.9%増の460億ドル(約6兆1600億円)だった。

米国人のローン残高、過去最高に

米連邦準備理事会(FRB)のレポートによると、2月の消費者信用残高は過去最高の4兆8200億ドル(約637兆円)になったことが明らかになった。消費者信用残高はローンなどの借り入れによる個人消費の動向を示す指標で、クレジットカードのリボルビング払い残高や自動車ローンなどの非リボルビング払い残高が1月に12.7%も急上昇したのに続き、2月も5%上昇した。金利上昇で個人債務が膨らんだことが背景にある。

中学教諭の36%が過労死ラインに

文部科学省が行なった2022年度教員勤務実態調査によると、過労死ラインとされる月80時間の残業に相当する学校内勤務時間である「週60時間以上」にある教諭は、小学校で14.2%、中学校で36.6%だったことが分かった。小中学校とも前回調査の2016年度調査よりは改善していたが、残業時間上限である月45時間を超えることになる「週50時間以上」の教諭は、小学校で64.5%、中学校では77.1%を占めていた。同省では今後、中教審で教員の処遇改善に向けた教職員給与特別措置法の改正を目指すとしている。

新卒女子の2割が「子どもを持ちたくない」

キャリタスリサーチが2023年春に大学・大学院を卒業する学生を対象にした「キャリアプラン・ライフプランに関する調査」で、女性の20.8%が「将来、子どもを持ちたくない」と答えていることが分かった。子どもを持ちたいと答えた女性は51.1%で約半数だった。また、家庭を持つとしても夫婦とも働く、共働き世帯を選択する女性は76.7%に上り、専業主婦世帯を希望する女性は7.0%にとどまっていた。少子化の流れが加速する素地を含んだ意識データともいえる。


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記事提供元:(有)ホップステップ「新聞・経済のうごき@.yomu」


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